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インタビュー
インタビュー vol.2
聖ドミニコ学院校長 佐野督郎校長インタビュー ドミニコ学院が変わる!女子校No.1宣言

今回、高校生取材記者選定にご協力いただいた、仙台の聖ドミニコ学院高校の佐野督郎校長先生からお話を伺いました。

編集長(以下編):聖ドミニコ学院高校は、ミッション系のお嬢様学校としてのイメージが強いのですが、宮城県の場合、全ての県立高校が男女共学校に変わることが決まっています。私立の女子高校も男女共学に変更するところが増えています。ドミニコさんは共学化の予定はないのですか?

佐野校長(以下左):確かに男女共学化は、全国的に見ても大きなトレンドであることは事実です。本学院でも、その議論を重ねてきました。しかし、格差問題や若者達の心の荒廃、閉塞感の漂う現代社会だからこそ、女子教育に特化した本校のような学校の存在意義が益々大切になると考えています。

編:「男女共同参画社会」がキーワードになっている現在、時代錯誤のような気もするのですが…?

左:ドミニコ学院の教育理念を表す言葉として「ダイバーシティー&インクルージョン」があります。これは、訳すると「多様性の受容」と言うことになります。要は、多様な価値観をもつ人々に、多様な選択肢を与えることが重要だということですので、男女別学があってもいいと考えています。実は、私はドミニコ学院の校長を拝命する前は、宮城県第二女子高校の校長をしておりました。県立の女子高校がなくなってしまうなら、「だったら、ドミニコ学院を東北ナンバーワンの女子高校に育てようじゃないか」と決意したのです。

編:具体的にはどのように取り組まれているのですか?

左:教育理念としては「世界的教養人の養成」「21世紀型リーダーシップの養成」をかかげています。理念の説明については、現在作成中の学校案内パンフレット(6月末完成予定)を読んでいただくとありがたいのですが・・・。
  具体的な取り組みとして、来年度入学生より、新たなコース制を導入します。まず、「キャリアデザインコース」。このコースは、10年後の自分をイメージしたキャリアデザインを基に、大学・専門学校・就職の進路選択を的確に行うことができることを目指すと同時に、コンピュータ教育を充実させます。また、スクールライフを満喫できるように、「ドミニコの森」をはじめとした多彩な進路行事と、「部活動」に十分な時間を割けるように配慮されています。さらに、来春、新設されるコースとして「幼児保育進学コース」も、本学院のスケールメリットを活かしたカリキュラム編成になっています。特色としては、(1)幼児教育系大学・専門学校に進学する前の先取り学習、(2)幼稚園就職希望者に要求される高度なピアノ演奏能力養成(これは個人差があるので選択制です)、(3)系列の幼稚園2校、小学校、児童福祉施設での正規カリキュラム中での実習、C希望大学・専門学校への受験指導(指定推薦枠は募集定員の30名分が用意されていますので普通に頑張れば全員進学可能)があげられます。

編:他にもありますか?

左:はい。「特別進学コース」と「私大進学コース」があります。「特別進学コース」では、国公立大学と難関私立大学を目指して、(1)完全週6日制、長期休みには修道院に宿泊しての勉強合宿(この春も20時間数学マラソンを実施しました)、(2)放課後の課外学習(帰宅時間の安全が確保されている生徒には何時まででも先生方が個別指導を行ないます)、(3)センター試験や難関大学突破のための基礎力養成として、代ゼミのサテライン講座など、充実した学習環境があるだけではなく、(4)上智大学、南山大学、聖心女子大学などカトリック系の指定校推薦枠があります。また、(5)「ドミニコスポーツランド」という、特進科の生徒だけのための、体力増強とストレス解消のためのプログラム、Eカトリックの学校ならではのメール(シスター)方による献身的な「心のケア」があります。結果として、宮城教育大学や秋田県立国際教養大学の合格者も出始めています。今年は東北大学合格者も出すつもりで、教員・生徒一丸となって取り組んでいます。
  「私大進学コース」は、中堅私立大学の70%以上がAO・推薦入試で入学する時代ですので、(1)1年次から小論文と面接の指導を行います、(2)もちろん、キャリアデザインコース同様に「大学に合格させることが目的ではなく、卒業後の人生設計を踏まえた上での大学選び」を指導します。

編:何だか、もの凄い教育イノベーションを感じます。これだけの学校改革が進めば、「良妻賢母養成のドミニコが、社会を変革する女性リーダー養成校に飛躍する」という可能性を感じます。

左:ドミニコの変革はこれだけではありません。 約50年間大事に守ってきたドミニコの制服デザインを来年度入学生から一新することにしました。カトリックの精神に基づき自己PRを控えてきた方針も大きく見直し、学院の中にある良きものは、対外的に大きくアピールして社会貢献に寄与しようと言うことになりました。その決意表明と言っては大げさですが、制服デザインを現代風に、オシャレで可愛いドミニコ生のイメージにふさわしいものに変更します。また、具体的な要綱は公表できないのですが、中学生や高校生が自分で着たいと思う制服を決める、いわば「最強制服デザインコンテスト」を開催します。
  基本的には、中学生・高校生・ファッションデザイン系専門学校の学生からデザインを公募し、10点ぐらいの優秀なデザインに絞って試作品を作成(宮城文化服飾専門学校の学生さん達に試作品作りをお願いする予定です)し、その試作品を生徒さん方に着てもらって、「ファッションショー」を開催します。最終的には、在学生の投票と卒業生達の意見をもとに決定します。リボンやネクタイ、アクセサリーのアレンジで、女性としての品格を保ちながらコーディネートできるようなデザインを想定しています。

編:多様なコース設定により、生徒一人ひとりの個性を尊重した教育を行う、大学進学にも部活動にも、スクールイベントにも力を入れる。「女子校ナンバーワン宣言」の今後の推移を楽しみに見守りたいと思います。最後に何か一言、お願いします。

左:今回は「変わるドミニコ」中心の話になってしまいましたが、「変わらないドミニコ」も忘れないでください。それは、「あったかいドミニコ」です。みんなが仲良くて、いじめがない。校内暴力もない。「心を耕し、学力と体力を植える」をモットーに、人間として当然のマナーやルール、いわば社会人基礎力を確実に身につけて送りだします。大事なものは大事にしてゆきます。皆さん、今年のドミニコの動きからは目をそらさないでくださいね。